今回のテーマは「団体運営」の視点から見たビジネスチャット
1つの事業所で使うということではなく、異業種の経営者同士が参加するような法人団体の「組織運営の効率化」の視点で書いています。文中では文脈に合わせて「団体=◯◯会」と表記することもあります。
文中に登場する「◯◯会」とは、基本的には経営者の立場にある方が入会している会であり、組織に雇用されている事務職員さんもいます。私も会に入会しており、自分自身の体験から感じたことを文章化してみました。個人的に「ビジネスチャットを使えば色々運営が楽になる」と思っているだけで、提案や実導入の前段階です。ちなみにChatworkの導入はいくつかの理由から頓挫しています。
そもそもビジネスチャットって何?
今回のテーマは「ビジネスチャット」です。まずは「ビジネスチャットってなに?」という部分ですが、weblio辞書には次のような説明があります。
ビジネスチャットとは、主に業務連絡・ビジネス上のコミュニケーションのための利用が想定されたチャット用のツールやサービスの通称である。
ビジネスチャットは基本的には複数名が参加するグループチャットの形式を取る。複数名でリアルタイムに情報を共有しつつ指示できる手段として使える。私用向きのチャット(メッセンジャー)に比べて、柔軟なグループの細分化、メンバー管理や権限の存在、セキュア性、他のビジネス向けサービスとの連携、といった要素が充実している。
ビジネスチャットの主な例としては、ChatWork、Slack、kintone、LINE WORKSなどが挙げられる。
ビジネスのコミュニケーションにメールを使っている方も多いと思います。ですが近年ではビジネスチャットの利用も増え、弊社でも社内外のコミュニケーションツールとしてChatworkを2013年の5月から利用しています。
導入により情報共有やコミュニケーションが劇的に改善され、今や業務に欠かせないツールとして定着しています。2015年の九州縦断500kmマラソン(鹿児島空港〜博多駅)の際にもChatworkのおかげで、スマートフォンだけで業務の確認やクライアントサポートが出来ました。
ヌーラボさんのビジネスチャットTypetalk
株式会社ヌーラボさん(https://nulab.com/ja/)の提供するビジネスチャットツール、それがTypetalkです。ちなみに弊社で導入しているヌーラボさんのツールは下記の通り。
オンライン作図ツール Cacoo(カクー)https://cacoo.com/ja/
>社内では神ツール認定
プロジェクト管理ツール Backlog(バックログ)https://backlog.com/ja/
>他社ツールに浮気を繰り返しましたが、あなたが一番です
>Backlogにしてからの、エンジニアさんのタスク処理速度が尋常ではない
弊社はメンバー全員がリモートワークということもあり、Cacooに関しては「Cacoo愛」と言ってもいいほど大好きです。Backlogは他のプロジェクト管理ツールに浮気を繰り返しながらも、2019年の春頃から「もう浮気しないからね!あなた一筋だから!」という誓いを立てて再契約をしました。
そんな中でも「Typetalk」というビジネスチャットに関しては、私の周りに限っていえば名前を聞くこともなく、ほとんど関心がありませんでした。何だったら大変失礼な感じで「ついでに作ったのかな」くらいの、絶対にTwitterとかではつぶやけない感想を持っていました。
Typetalkに( ゚д゚)ハッ!とした理由
一番わかりやすい部分をお伝えすると「ユーザー数と価格」です。下記の図は2019年7月18日時点の価格プランのスクリーンショットです。どこが( ゚д゚)ハッ!としたのか解説しますね。
- 1ユーザー単位ではなく、一定ユーザー数単位で契約するプランである
- 単純に1ユーザーあたりの料金が安い
- 支払方法に「銀行振込」がある
- 基本機能の制限がすくない
- 申込者以外の人を契約管理者にできる
この5つの点において、◯◯会に適している。まさに( ゚д゚)ハッ!とした瞬間でした。
なぜ団体で利用する際に、前述の5つのポイントが重要なのか?
前述の5つのポイントを解説していきます。この5つの点において他のビジネスチャットよりもTypetalkに優位性があると考えています。
1ユーザー単位ではなく、10ユーザーなど複数ユーザー単位でのプランである
世の中にある「◯◯会」では「役員」とよばれる役職があり、会の運営方針などの決定や活動を行っていると思います。同じ県内に支部のようなものが数多く存在することもあるでしょう。役員の方は入れ替わりがありますので、ざっくりしたユーザー数で契約しておいた方が予算的にも考えやすく、提案が通りやすいと考えます。
Typetalkには10、25、50、75ユーザーという感じで組織に馴染むユーザー数になっています。100ユーザーでも月額14,800円+税という驚きの低価格です。
単純に1ユーザーあたりの料金が安い
ビジネスチャットサービスでは、1ユーザー◯◯◯円という設定も存在します。この場合「人数×料金」の計算に熱心な方がいて、たとえば「1名有料ユーザーを増やすかどうか?」みたいな議論が発生します。また400円〜600円くらいの価格設定だと団体の運営上は、たしかに予算を圧迫します(会社ではなく団体としての予算ということもあり、トップの決断だけでは決まらないのです)
支払方法に「銀行振込」がある
この部分は非常に重要です。クレジットカード決済しかなければ、そもそも支払方法に対応出来ないのです。代理店が存在しているサービスであればまだ可能性がありますが…直販のみだとほぼ不可能です。だから銀行振込はすごく重要。
基本機能の制限がすくない
実際にフリープランを試して見ましたが、基本機能に大きな制限がありません。たとえばファイル添付の容量などは導入当初そこまで問題になりません。むしろ「グループ数に制限」があったりすると、ツールのパフォーマンスを最大限に発揮する使い方が出来ず「LINEでいいじゃん」みたいな意見に負けます。ツールの性質上、必要な機能が制限されていない(上位プランでなければ使えない等も)ことは非常に重要です。
以前とあるクラウド請求書サービスを使っていて「一括印刷」が出来ない。みたいなプラン制限がありました。たしかに理解は出来るのですが「それは請求書作成上、基本的に必要だよね?」というものが制限されていると「え?」となってしまいます。
申込者以外の人を契約管理者にできる
この手のツールを◯◯会で使う際には、慣れている方が申込みを行います。ただ申込者が決済しないといけない状況になると事務処理状も面倒になります(立て替え払いして、事務局に請求するなど)。この点でもTypetalkは契約管理者を変更出来るのでものすごく便利です。
私がChatworkの導入で頓挫した理由
簡単にいうとグループ参加総数「14」の制限が大きな理由です。この制限がかかる前から導入に向けて勉強会やプレゼンを続けてきたこともあって、すでに総数14を超えている方が多く、あと一歩というところで導入が実現しませんでした。そうはいっても勉強会を重ねたことで一部の方には定着していて、一定の業務効率化が実現できたことも事実です。
効率化や情報共有に課題を感じて取り組んでいる当事者の方へ
もしこの記事を読んで、ご自身の所属している組織や団体の効率化で苦戦されている方がおられましたら、少し視点を変えて考えてみてください。
月に一人たった数百円。されど数百円。
ビジネスチャットはものすごく便利です。私が愛用しているChatworkもパーソナルプランは400円/月、ビジネスプランは500円/月(最小5ユーザー)と価格も大変リーズナブルだと思います。価格の感じ方には差があるとしても、費用対効果を考えると契約しない理由は無いように思えます。
ですが「月額=ランニングコスト=悪」という考え方があるのか、月額数百円に相当な抵抗を受けるのも事実です。その場合、結局は「月数百円>抱えている課題」ということだと思います。自分(当事者の方)が楽になりたいだけなのか、会で本当に解決したいと思っていることなのか、もう一度考えてみるのもよいかもしれません。少し気持ちが楽になります。
そもそも「求められていない」という考え方も出来ます。
経営者の方は、時給換算すると少なくとも1,000円以上と思います。ですが数百円の課金をためらって、削減できるはずの数時間を費やしている様子を長年みていると、そもそも私自身の考え方に誤りがあるのかも?と思うこともあります。要はそういった非効率な部分も含めての「会運営という役割」という理解をすればよいのかもしれません。ですが私の場合は3時間を1時間に短縮できる手段があれば迷わずそちらを選びます。
目的は効率化や情報共有ではなく、周りにいる人を楽にすること
誤解の無いように念を押すと「効率化」が目的かというと少し違います。会員の方々に必要な情報がきちんと届いて、本当に必要なことに時間を費やせた方が幸せですよね?という点がそもそもの理由です。時間は有限ですから…目の前にある課題に対して解決策がある。でも進まないというのは、私の性格上は腑に落ちないのです(愚痴になってる笑)
組織や団体でビジネスチャットが導入されない理由はシンプル
- 経営者同士だからLINEで十分
- 団体の予算だから沢山の方の承認が必要
- 承認の立場にいる方は、ITへの理解がない場合が多い
- FAXの文化が根強い(立場が上の方がその世代)
- 課題解決の優先度が低い(今のままでもよい)
なぜわざわざビジネスチャットの導入をすすめるのか?
団体にITツールを提案するのはかなりのパワーが必要です。何もしないのが一番楽ですし、何だったら別に今のままでよく無い?と思うこともあります。まあ実際そうだと思います…。ただこういった団体の運営では、見えないところで会員さんや事務局の方々が大変な思いをしています。自分の会社と同じように、それをわかるべきだと思うのです。
大変な思いってどんなこと?
- 何度も同じ連絡をする(聞かれる)
- 結局みんなに伝わらない
- 頑張っている人に負担が集中する
- 本来時間をかけるべきことに時間をかけれず物事がすすまない
こういったことは「自分の会社であれば」間違いなく、解決すべき問題だと思います。ビジネスチャットで解決出来る可能性が高いのであれば、解決に向けてクリアすべきことは少ないはずです(予算と使い方の勉強くらい)
Typetalkは便利!
機能以外の部分が中心になりましたが、ビジネスチャットとしても本当に快適です。Chatworkもそうですが「既読」機能が無いことは不要なストレスが生まれなくて重要だと思っています。必要なのは「既読」よりもアクションですからね。
Typetalkの基本的な機能
- ハートボタン(Facebookのいいねボタンのようなもの)
- >このボタンでワンアクションすると、書き手も安心するよ。
- メッセージの編集・削除機能
- >誤送信の防止
- >ちょっとキツすぎた言い回しを優しく直したり、かわいくアイコンを追加してね。
- メッセージをまとめられる
- >同じ話題をグルーピングできる。ハッシュタグでも出来るよ!
- 話題はトピックで分ける
- >話題毎に分けると、探しやすいしわかりやすいよね
- 返信元のメッセージがわかる
- >あるメッセージに返信すると、返信元のメッセージがわかるから便利だよね
- 過去の話題も確認できる
- >トピックに途中参加しても過去のやりとりがわかるよ
Typetalkを使って団体の運営を楽にして欲しい
- メール、FAX、電話、口頭での連絡に問題を感じている
- 会議が読み合わせの場になっている
少なくともこの点は確実に改善します。Typetalkを入れても改善しないのであれば、それは「何のために、誰のために」という根本的な部分に課題があると考えたほうが自然です。全国にいる「団体の運営を楽にしたい」と思っている方はぜひTypetalkを検討されてみてください。
フリープランで、必要機能に制限が無く検証できる点は大きい!
- フリープラン(10ユーザーまで)をコアメンバーで導入してみる
- >検証段階をフリープランで行けるのは大きい!!
- 使えるとわかったら25ユーザー(3,980円/月)まで広げてみる
- >この段階が勝負どころ!主要な役員を確実に巻き込んで便利さを実感していただく
団体の人数にあったプランを選び、コアメンバーでTypetalkをまず使ってみる。
- フリープラン(10名まで)に、ウェブに慣れている方が申込む
- https://www.typetalk.com/ja/
- Typetalkアカウントをつくる(利用者は全員つくります)
- 10名のコアメンバーログインしてもらう
- スマートフォンにアプリを入れてもらう
- トピックをつくって、まずはメッセージを送ってみる
まずはここまで!申込む、アカウントを作る、スマホアプリを入れる、トピックに投稿してみる。みんなで集まってやってみてください。時間は1時間とって少しでも慣れてみてください。それが第一歩です。わずか1歩ですが、この最初の1歩を踏み出せばよりよい未来が見えてくるのではないでしょうか。今回は番外編っぽく「団体運営」に視点をあてて書いてみました。次回は自社導入の経緯やCacooやBacklogとの連携について書いてみようと思います。